補助金を使って、つくれることがあります
つくりたい形は決まっているのに、費用のところで手が止まる。ホームページにも多言語教材にも、使える制度があります。国の公式資料から調べ直して、実際に使えるものだけを並べました。
ここに書いたのは令和8年度、いま受け付けている回の内容です。制度は年度ごとに変わりますので、申し込む前に公式の資料と窓口でお確かめください。
ホームページに使えるのは、持続化補助金です
正式には小規模事業者持続化補助金といいます。いま動いているのは一般型の通常枠、第20回です。受付は2026年11月5日から12月15日の17時まで。補助率は3分の2で、補助の上限は50万円です。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円が上乗せされ、両方に当てはまると最大250万円まで伸びます。
使えるのは小規模事業者です。商業・サービス業なら常時使用する従業員が5人以下、製造業その他と、サービス業のうち宿泊業・娯楽業は20人以下。会社役員と同居の親族従業員は、この人数に数えません。
審査があります。第19回は16,576件の申し込みに対して採択が7,819件、およそ47パーセントでした。通らなかったときにどう進めるかを決めてから申し込むと、あとで慌てずに済みます。
| 項目 | 第20回の内容 |
|---|---|
| 申し込みの受付 | 2026年11月5日から12月15日の17時まで |
| 補助率 | 3分の2 |
| 補助の上限 | 50万円。特例が付くと最大250万円 |
| ホームページに使える額 | 補助金の申請額で30万円まで |
| 商工会の書類の締切 | 2026年12月4日 |
表のいちばん下の2行が、ホームページをつくるときに効いてきます。
ホームページに使える額は、30万円までです
公募要領は、ウェブサイト関連費について補助金の申請額の上限を30万円と定めています。補助率が3分の2ですから、制作費でいうとおよそ45万円ぶんが天井という計算になります。それを超えてつくっても、補助されるのは30万円までで、残りは自己負担です。
もうひとつ、ウェブサイト関連費だけでは申し込めません。公募要領にそう書かれています。看板やチラシ、機械の購入、店の改装といったほかの経費と組み合わせる形になります。ホームページをつくりたいというご相談は、お店全体の販路開拓の計画として組み立て直すことになります。
商工会の書類が要ります。締切は申し込みより前です
補助の対象になる事業の条件に、商工会または商工会議所の支援を受けながら取り組むことが入っています。事業支援計画書(様式4)の発行を受ける必要があり、第20回の発行受付締切は2026年12月4日。申し込み本体より11日前に設定されています。
宇治田原町は商工会の地区ですから、窓口は宇治田原町商工会になります。
教材に使えるのは、外国から来て働く人の就労環境を整える助成金です
厚生労働省の人材確保等支援助成金に、外国人労働者就労環境整備助成コースという枝があります。外国から来て働くかたを雇っている事業所が、働く環境を整えるための助成です。
支給の対象になる措置のひとつが、社内マニュアル・標識類等の多言語化です。支給要領はその中身を、安全衛生などに関するマニュアル(教材)・標識類その他の文書(動画を含む)と定め、新たに作成して多言語化するものも含むと書いています。安全衛生の教材を新しくつくって多言語化する、という進め方が制度の言葉でそのまま書かれています。
金額はひとつの措置につき20万円の定額で、合計80万円が上限です。やさしい日本語も多言語化に含まれます。母国語の版をいくつも用意できない現場でも、形にできます。
教材の多言語化だけでは、受けられません
この助成金は、組み合わせて使うものです。雇用労務責任者の選任と、就業規則や労働条件通知書などの多言語化。この2つが必須で、そこに苦情・相談体制の整備、一時帰国のための休暇制度、社内マニュアル・標識類等の多言語化のいずれかを足します。
いちばん小さい組み合わせは3つの措置で、合計60万円です。教材だけを切り出して申し込むことはできませんので、就業規則の多言語化まで含めて組み立てます。
計画は、計画期間の初日の6か月前から1か月前までに労働局へ出します。出す前に契約すると、対象から外れます。ここは下の節にまとめて書きました。
育成就労が始まると、ここが動きます
2027年4月に育成就労制度の運用が始まります。外国から来て働く人に安全衛生をどう伝えるか。手を入れる現場は、これから増えていきます。
育成就労そのものに紐づいた新しい助成金は、2026年9月に探した範囲では見つかりませんでした。いまの受け皿は、上のコースです。
向かないと分かった制度も、書いておきます
使えそうに見えて、資料を読んでいくと外れる制度があります。調べて外したものを、理由と一緒に置いておきます。
| 制度 | 外れる理由 |
|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金 | 補助の対象は、事務局にあらかじめ登録されたITツールの導入費用に限られます。お客様が見る画面を新しくつくる費用は、スクラッチ開発として対象外と書かれています |
| 人材開発支援助成金 | 繰り返し活用できる教材の制作費が、経費助成の対象から外れています。例に挙がっているのはパソコンソフトウェアと学習ビデオ。自社で行う訓練のeラーニングも助成されません |
| 業務改善助成金 | 経費の区分に教育訓練費がありません。広告宣伝費と販売促進費も、対象外として明記されています |
デジタル化・AI導入補助金は、2026年度からIT導入補助金を引き継いだ制度です。予約や在庫の管理といった業務システムは対象になりえますが、ホームページ制作そのものは乗りません。個人事業はIT導入支援事業者として単独では登録できないと登録マニュアルにあるので、この制度はつくる側からも遠いです。
研修の助成金で体験型の教材を買える、という案内を見かけることがあります。資料を読むかぎり、繰り返し使う自社の教材の制作費はそこに乗りません。多言語化の助成のほうが近いです。
外したものを先に書いておくと、同じところを二度調べずに済みます。
申請するのは、お客様ご自身です
補助金も助成金も、受け取るのは事業をしているかたご自身です。ですから、申し込むのもお客様になります。つくる側のnishi-webが代わりに申し込むことはできません。
理由は2つあります。ひとつは、お金の行き先です。補助金は事業者が出した計画に対して出るもので、制作した会社に出るものではありません。受け取る人と申し込む人は、そろっている必要があります。
もうひとつは、法律の線です。このページでいう補助金は経済産業省のほうの制度、助成金は厚生労働省のほうの制度で、申請を代わりに進められる人がそれぞれ違います。補助金なら行政書士、助成金なら社会保険労務士。人材開発支援助成金の案内は、助成金の申請手続き業務が社会保険労務士の独占業務であることを、見出しごと立てて示しています。同じ案内には、無償で手続きをすると言っていても、受講料のなかにその手間の代金が入っていると見られれば同じ問題になる、とも書いてあります。無償かどうかで、この線は動きません。
とはいえ、お客様がおひとりで書き上げるわけではありません。商工会には経営指導員という、小さな事業者の相談を受ける担当者がいて、計画づくりに付き合ってくれます。手続きそのものを任せたいときは、社会保険労務士や行政書士に頼めます。宇治田原町は商工会の地区ですから、はじめの相談先は宇治田原町商工会になります。
| だれ | やること |
|---|---|
| お客様(事業者) | 申し込む。書類を出す。補助金や助成金を受け取る。終わったあとの報告も出す |
| nishi-web | 使えそうな制度を紹介する。見積書を出す。つくるものと期待できることを書いた資料を出す。窓口へおつなぎする。申請書はつくらない |
| 商工会の経営指導員 | 計画づくりの相談に乗る。持続化補助金では事業支援計画書(様式4)を出す |
| 社会保険労務士・行政書士 | 申請の手続きを、お客様に代わって進められる |
もうひとつ、先にお伝えしておきます。私が計画づくりをお手伝いしたときは、お客様は申込書にその相手と金額を書くことになります。持続化補助金は、商工会と商工会議所以外の第三者から支援を受けたら、支援料金の支払いの有無に関わらず書くように決めています。書かないと虚偽の報告として扱われ、不採択になったり、いったん決まった補助が取り消されたりします。公募要領にそう明記があります。ですから、お伝えしないままお手伝いすることはしません。
補助金の事務局を名乗る詐欺的な行為への注意喚起が、2026年8月28日に出ています。高額なアドバイス料金を求める業者への注意も、公募要領の本体に載っています。
いちばん大事なのは、順番です
どの制度にも共通して効くのが、これです。交付決定や計画の認定より前に発注・契約・支払いをすると、その経費は対象から外れます。交付決定は、この経費に補助を出すと国が決める手続きのことです。持続化補助金は前払いを含めて対象外と書き、外国人労働者就労環境整備助成コースは、計画を労働局に出すより前に外へ委託したり支払ったりしたものは支給しないと定めています。
ですから、制作の進み方はこう並びます。
- お話を伺って、見積書をお出しします。
- 商工会や労働局にご相談いただき、申し込みか計画の提出をします。
- 採択と交付決定、または計画の認定を待ちます。
- そこで初めて契約して、制作に取りかかります。
- 納品のあと、実績報告を出していただきます。
第20回で考えると、2026年12月に申し込んで、採択の発表が2027年3月ごろ。交付決定はそこからさらに先ですから、着手は2027年の春以降になります。見積りから着手まで数か月空くことを、はじめから予定に入れておいてください。
もうひとつ、補助金は後払いです。補助事業を進めるには自己負担が要る、と公募要領にも書かれています。制作費はいったん全額をお支払いいただき、事業が終わって実績報告を出し、金額が確定してから振り込まれます。手元の資金や借入の見通しは、申し込みより先に立ててください。
はじめての人のための、進め方
上の並びを、制度ごとに詳しく書きます。補助金を扱うのが初めてでも読めるように、誰が何をするかまで書きました。出てくる書類の名前には、短い説明を添えています。
ホームページの補助金は、この順に進みます
小規模事業者持続化補助金の第20回で書きます。かっこの中は、その段を進める人です。
- 宇治田原町商工会に相談する(お客様)。商工会は、小さな事業者の経営相談を受ける団体です。この補助金は商工会の支援を受けながら取り組むことが条件なので、はじめの一歩がここになります。
- 見積書を受け取る(nishi-web)。見積書は申し込みに要る書類です。つくるものの中身と金額を書いて用意します。
- 事業計画を書く(お客様。経営指導員が相談に乗ります)。販路開拓の計画として書きます。ホームページは、その計画のなかのひとつという形になります。
- 事業支援計画書(様式4)を出してもらう(商工会)。商工会が、その計画を支援すると書いて出す書類です。第20回の発行受付締切は2026年12月4日で、申し込み本体より前に来ます。
- GビズIDプライムを用意して、申し込む(お客様)。GビズIDプライムは、国の電子申請で共通に使うアカウントです。受付は2026年11月5日から12月15日まで、締切は当日の17時です。
- 採択の発表と交付決定を待つ(事務局)。採択の発表は2027年3月ごろの予定で、交付決定はそのあとに届きます。
- 契約して、制作に取りかかる(お客様とnishi-web)。ここまで待ってから動きます。先に発注すると、そのぶんは補助されません。
- 実績報告を出す(お客様)。やったことと払った額をまとめて出す書類です。ここで補助金額が確定し、請求すると振り込まれます。事業が終わった1年後にも、効果を書く報告があります。
教材の助成金は、この順に進みます
外国人労働者就労環境整備助成コースのほうです。使えるのは雇用保険の適用事業所で、外国人雇用状況届出を出しているところ。窓口は京都労働局になります。
- 京都労働局に相談する(お客様)。どの措置を組み合わせるか、つくる教材がこの助成に当たるかを、先に確かめます。
- 組み合わせを決める(お客様)。雇用労務責任者の選任と、就業規則などの多言語化。この2つは外せません。そこに教材の多言語化を足します。雇用労務責任者は、外国から来て働く人の労務管理を受け持つ担当者です。
- 見積書を受け取る(nishi-web)。持続化補助金のときと同じで、つくる教材の中身と金額を書いた書類です。
- 就労環境整備計画を労働局に出す(お客様)。どの措置をいつやるかを書く計画です。計画期間の初日の6か月前から1か月前までに出します。ここより前に契約や支払いをすると、支給の対象になりません。
- 認定を待つ(労働局)。
- 契約して、制作と導入をする(お客様とnishi-web)。計画期間は3か月以上1年以内です。教材を現場に入れて、働く人に知らせるところまでを、この期間のうちに終えます。
- 支給申請を出す(お客様)。措置を実施したあと、決められた期間のうちに出します。いつまでかは計画の中身で変わるので、期限は計画を出すときに労働局へ確認します。
お金と書類のことも、先に知っておくと動きやすくなります。持続化補助金は、発注の総額が50万円(税込)を超えると2者以上の見積を求めます。nishi-webの見積りが50万円を超えるなら、ほかの会社からも見積りを取っていただきます。代表者や役員の3親等以内のご親族、またはそのかたが代表を務める会社への発注は、対象になりません。
お金が動く順も、ふだんの取引とは逆です。先に払って、あとから受け取る。そして事業が終わったあとにも、報告の書類が残ります。持続化補助金では、出さないと次の回に申し込めません。
できることと、できないこと
採択をお約束することはできません。審査があり、通らないことがあります。補助が出るからといってお見積りを変えることもしません。金額は補助の有無にかかわらず同じでお出しします。
申請書類をお客様に代わって作成することも、上に書いた通りできません。できるのは、ここまでです。
- 使えそうな制度をお伝えする
- 申し込みに要る見積書をお出しする
- つくるものの中身を書いた仕様書をお渡しする
- 期待できることをまとめた説明資料をお渡しする
- 商工会や労働局の窓口へおつなぎする
見積書は申し込みに要る書類ですから、ここはつくる側の仕事です。仕様書と説明資料も同じで、何をいくらでつくるのかが読んで分かる形にしてお渡しします。窓口まではご一緒します。
窓口で確かめたいこと
ここまでに書いたのは、公式の資料で確かめられた範囲です。そのうえで、お店ごとの事情で答えが変わるところが残ります。窓口へ行かれるとき、合わせて聞いておくと良いことを並べました。
- 宇治田原町商工会では、相談の受け方や第20回のあとの公募の予定と、動く3Dのホームページがウェブサイト関連費として認められるかどうか。
- 京都労働局では、つくる教材が社内マニュアル・標識類等に当たるかどうかや見積書の書き方と、ひとつの計画に教材を何本まで入れられるか。
- 宇治田原町の産業観光課では、町内雇用促進助成金や創業支援の制度が令和8年度も動いているかと、おもてなし推進補助金に個々のお店が関われる余地があるか。
- 京都府と京都産業21では、外国から来て働く人の受入れに使える府の補助金があるかどうかや京都エコノミック・ガーデニング支援強化事業の次の公募と、そこにウェブサイトの制作費が乗るかどうか。
答えを持っているのは、どれも窓口です。ご相談をいただいたら、私も一緒に確かめます。聞きに行かれる前に、何をどう聞けば良いかを整理するところからお手伝いできます。
まず、使えるかどうかを一緒に見ます
使えるかどうかは、事業所の形とつくるものの中身で変わります。従業員の数、雇用保険の適用、外国から来て働くかたがいるかどうか。そのあたりを伺えば、どの制度が近いかまでは見当がつきます。
公募の日程から逆算して、制作の予定をお作りします。締切が近いときは、お電話でご相談ください。24時間お受けしています。
フォームは名前とメールアドレスの2つだけで送れます。どの制度を使いたいか決まっていなくても構いません。
この文章の出どころ
ここに書いた数字と要件は、次の資料で確かめました。どれも2026年9月13日に読んだものです。制度は年度で変わりますので、申し込みの前に公式の資料と窓口でお確かめください。
- 小規模事業者持続化補助金 一般型 通常枠 第20回 公募要領 第8版(2026年7月21日) 小規模事業者持続化補助金事務局
- 小規模事業者持続化補助金 一般型 通常枠(商工会地区) 全国商工会連合会
- 宇治田原町商工会 京都府商工会連合会
- 人材確保等支援助成金 外国人労働者就労環境整備助成コース 支給要領(令和8年4月1日改正) 厚生労働省
- 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース) 厚生労働省
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠) 中小企業庁・中小機構
- 令和8年度版 人材育成支援コースのご案内(令和8年8月3日版) 厚生労働省
- 業務改善助成金 申請マニュアル(令和8年度) 厚生労働省
リンク先はどれも公式の配布元です。PDFが開くものも混ざっています。